携行品
歩き旅を楽しむために
四国遍路の道は大半が舗装道で、部分的に未舗装の登山道や自然歩道を歩き、時折り急勾配や標高が高い場所、岩場もあるといった状況です。旅程によりますが、本格的な山岳登山の装備までは必要なく、標準的なハイキングの装備が適しています。店や照明灯などがない山間も多いので、安全で快適に歩けるよう事前にしっかり準備してスタートしましょう。
歩き旅の必需品
一般的には、苦痛なく歩ける荷物の重さは体重の8分の1程度までといわれています。長時間歩行では男性で4〜5kg、女性で3〜4kgくらいが理想的。季節や歩く距離などの条件によって必要な荷物は変わってきますが、重すぎると体力消耗に繋がります。丈夫で軽く使いやすいものを選び、なくても我慢できるものは持たないなど工夫しましょう。
シューズ | ハイキングシューズか長距離用のウォーキングシューズ。中敷きやソックスと上手に組み合わせて事前に履きならしておきましょう |
季節に合ったウエア | 軽く速乾性のものがおすすめ。紫外線対策・虫よけのため長袖・長ズボンが各1枚はあったほうがいいでしょう |
リュック | 25L程度がおすすめ。別途、現金や小物を入れるウエストポーチなどがあると便利です |
雨具 | 特に春・秋は天気が崩れやすいので、レインウエアや傘は必須。リュックのレインカバーもあったほうが安心 |
帽子 | 夏は紫外線ケア、冬は防寒のために。撥水性、速乾性など選択肢は多数あるので用途に合うものを |
地図、ガイドブック | スマホの電波が入らない場合に備え、オフラインで利用できる地図や、ガイドブックを備えておきましょう |
スマホ | 四国遍路トレイルのルートはGoogleマップ上で見ることが可能です。充電器も忘れずに |
モバイルバッテリー | 宿に着くまでスマホを1日中充電できないことも。モバイルバッテリーはぜひ持って行ってください |
飲物または水筒 | コンビニや自販機がないエリアも多いので1日分の水分は必携です |
行動食 | バテないためのエネルギー補給に。気温で傷んだりしない保存性の高いものを選びましょう |
救急セット | 消毒薬、絆創膏、痛み止め、シップ剤、ガーゼなど |
虫よけ | 虫よけスプレーや虫よけ効果のある衣類など |
日焼け止め、サングラス | 木陰のない道、海沿いの道などでは紫外線と眩しさで疲労が増すことも。使い慣れた日焼け止めやサングラスを |
ゴミ袋 | 紙類やビニールなどはもちろん、食べ物や飲み物も地面や川に捨てたりせず持ち帰りましょう |
現金 | 小さな宿や商店ではクレジットカードが使えないところも多いので、現金(日本円)の準備が必要。お賽銭用の硬貨も |
保険証 | 健康保険や旅行保険の保険証と連絡先 |
その他 | 筆記用具、洗面用具、タオル、ティッシュ、必要に応じてトレッキングポール、ヘッドライト、手袋、テントなど |
お遍路さんの装備
四国遍路の旅には、服装や所持品の決まりはありません。全く自由です。ただ、遍路装束を身につけていれば周囲の人から「お遍路さん」として認知され、受け入れられやすくなります。道を教えてもらったり、あいさつを交わしやすくなります。また、白衣を着ると身の引き締まる思いを感じ、モチベーションが上がるかもしれません。
遍路用品は多種多様なので代表的なものを下に紹介します。興味があれば、まずは納経帳、金剛杖、白衣を揃えてはいかがでしょうか。入手方法は、1番札所や10番札所など札所の近くにある仏具店で購入するか、各仏具店のオンラインショップ、楽天市場などもあります。
金剛杖(こんごうづえ) | 弘法大師の化身であり、最も大切な用具。体を支えたり蛇などを追い払ったりする歩行の道具であると同時に、神聖なものでもあるため粗末に扱ってはならないとされています。朝、宿で杖に合掌してから歩き、夕方宿に到着すると洗って合唱し一日を終えます。値段:1000円から |
白衣(はくえ) | 袖付きを白衣、袖なしを笈摺(おいずる)といいます。清浄無垢な姿を表し、かつてはどこで死んでもかまわないという覚悟の死装束を意味しました。正式には白衣の上に笈摺を重ねて着ます。納経所で朱印をもらう「判衣」用として別途もう1着用意する人もいます。値段:白衣2100円から、笈摺1700円から |
納経帳(のうきょうちょう) | 霊場にお参りした証として、納経所で墨書・朱印をいただくための帳面です。礼拝、読経を終えてから納経をお願いするのが正しい順序。値段:納経帳2000円から。各霊場での納経料300円 |
菅笠(すげがさ) | 日よけとして、ビニールカバーがかけられているので雨具としても最適。お堂の中や僧の前でも笠をとらなくてもいいとされています。かぶるときは、弘法大師を表す梵字を正面にします。自分にフィットするよう紐を取り替えるといいかもしれません。値段:1500円から |
数珠(じゅず) | 仏教の宗派によって形状が異なります。四国遍路では真言宗のものを用います。右手中指と左手人差し指にかけ、真ん中の輪の部分を手のひらで包み、合掌礼拝時に玉を擦り合わせると煩悩が払われるとされています。値段:2000円から |
輪袈裟(わげさ) | 仏教の僧侶が肩からかける「袈裟」の略式のもの。霊場礼拝の正装具として、道中に身に着けることになっています。食事やトイレなどの場合ははずす必要があります。値段:1200円から |
経本(きょうほん) | 四国八十八ケ所霊場では「般若心経」「十三仏真言」を読経します。値段:300円から |
納札(おさめふだ) | あらかじめ住所・氏名や願いごとを書いておき、各札所の本堂と大師堂にある「納札箱」に納めます。お接待を受けたときや、遍路同士の挨拶代わりに渡したりもする名刺のようなものです。踏破の回数により6色を使い分けるとされています。値段:納札100枚で100円から |
その他 | 礼拝時に使うろうそく、線香、持鈴、納札を入れておく札ばさみなど |